群馬県藤岡市 八塩あじさいの里
群馬県と埼玉県の県境を流れる、自然豊かな神流川。
群馬県藤岡市の中心部から車で南へ15分ほど進むと、神流川のほとりに”八塩あじさいの里”への入り口が見えてきます。
名湯“八塩温泉”周辺に広がる散策路では、6月下旬から7月中旬にかけて、約5,000株のアジサイがいろとりどりの花を咲かせるのを見ることができます。

温泉旅館の宿泊客のほか、野鳥の観察や(七福神ならぬ)八福神巡りなど、土日だけでなく平日でも多くの人々が訪れるという”八塩あじさいの里”。
実は、ひとつの大きな問題がありました。
トイレがないのです。
観光地への公衆トイレ設置を望む声
散策路から少し外れた国道沿いに公共トイレが1か所あるものの、のんびり歩けば小一時間はかかるであろう散策路にトイレがないというのは、やはり心もとないもの。観光に訪れる人たちも、少なからず不便を感じていたに違いありません。
藤岡市役所にも、愛好家の方々からの「あじさいの里にトイレを設置してほしい」という声は、これまで数多く寄せられていました。
”八塩あじさいの里”は、藤岡市にとって大切な観光資源のひとつです。
より多くの人に藤岡市を訪れてもらうため、そして地域の人々にハイキングコースを快適に利用してもらうため、この問題をどうにかしたい……。
そして、2021年。藤岡市の観光振興事業の一環として”八塩あじさいの里”に屋外トイレを設置する計画がスタートしました。

ところが、ここでまたひとつ問題が。
この辺りには、まだ下水が通っていません。放流できる川や側溝もないため、浄化槽を設置することもできません。
検討を重ねた結果、選択肢として挙がったのが、微生物の働きでし尿を分解するバイオトイレでした。
地球環境に優しいおしゃれなトイレ
一口にバイオトイレといっても、おがくずや木質チップを使ったもの、土壌式など、処理方法はさまざまです。
そんななか、インターネットで屋外用のバイオトイレを探していた担当者の目に留まったのが、水を循環させるタイプのバイオトイレ。弊社『newto』でした。
し尿を処理し、その水を洗浄水としてリサイクルする自己完結型。地球環境にも優しいだけでなく、水洗トイレの設置が可能な点、主張しすぎないシンプルなデザインも好印象でした。
今回、藤岡市で採用されたのは、軽量鉄骨タイプの『newto(アンビエンテ)』WT25-U2J。男性用と女性用に分かれた、2室タイプのトイレユニットです。
弁天山・桜山へのハイキングコース入口地点。その駐車場の一角に、元請け業者の方で基礎を打ち、その上に『newto(アンビエンテ)』を設置します。

設置工事は11月上旬。
盛りを過ぎた紅葉をバックに、『newto(アンビエンテ)』を搬入します。

今回は自治体による観光名所へのトイレ設置ということで、藤岡市役所の担当者も工事に立ち合いました。


下水がなくてもトイレは水洗がいい
個室のドアを開けると、白いクロスに木目をプリントした塩ビタイル、水洗便器と、日頃から見慣れた光景が広がります。
普通の公衆トイレとはちょっと違う、衛生的な空間。こんなトイレで用を足していると、屋外にいることを忘れてしまいそうですね。

老若男女問わず多くの方々が利用するため、個室同士が隣り合わないよう、処理槽を個室と個室の間、ユニット中心部に内蔵しました。これなら、隣の個室へ排泄音が漏れてしまう心配もありません。
外観カラーは、どんな環境にも馴染みやすい黒をチョイス。

紅葉の始まった秋の空の下、黒いサイディングが日の光を反射してクールな表情を見せています。

官公庁・自治体向けの地球に優しいバイオトイレ
自然環境を活かした観光地では、下水が通っていない、浄化槽の設置ができないというところも決して少なくはありません。
小さなお子さまからご年配の方、障がいをお持ちの方まで、さまざまな特性・年齢層の方が訪れる観光地では、汲み取り式のトイレや普段と異なるトイレ環境が好まれないこともあるでしょう。
衛生的で、誰もが気軽に利用できる循環式の水洗トイレ『newto』なら、きっと自治体様のお役に立てるに違いありません。

今回”八塩あじさいの里”屋外トイレ設置計画をスタートした当初は、「次年度のアジサイの時期に間に合うように進めたい」というお話もありましたが、残念ながらアジサイの季節には間に合いませんでした。
しかし、きっと来年も再来年も、それ以降もずっと、アジサイの見頃には多くの観光客や地元の方々が自然を満喫しに”八塩あじさいの里”を訪れることでしょう。 そのとき、私どもの『newto』が訪れる皆さまのお役に少しでも立てること、そして、ささやかながら藤岡市の観光振興・地域発展に貢献できたらいいな、と思っております。
循環式トイレで
あなたの街の地域循環を促します