汲み取りから水洗へ、汚水リサイクルで古いトイレが蘇る!
2019.04.22

奈良県明日香村 高松塚壁画館

奈良県高市郡明日香村の“高松塚古墳”に隣接する“高松塚壁画館”は、飛鳥時代の壁画の模写や副葬品のレプリカなどが展示されている博物館。飛鳥探訪の人気スポットとして、毎年多くの観光客が訪れます。
“高松塚壁画館”が建設・開館されたのは、昭和52年のこと。建物自体も古く、既存トイレも汲み取り式のまま。臭いの問題などもあって、水洗化を検討していました。

『NEWTO(システマグランデ)』設置前の建物正面

しかし、高松塚古墳が国指定特別史跡であることから、周辺での掘削や下水道・浄化槽の埋設は規制されています。そこで、浄化槽の代替品として採用されたのが、『newto(システマグランデ)』でした。

既存の汲み取り槽を原水槽として再利用

設置したのは、建物正面の入り口近く。もともと掲示板のあった場所に、地上設置型の汚水リサイクルシステムを据え付けました。既設の汲み取り槽は、そのまま原水槽として流用します。

水の汚れを量る指標として“BOD”(生物化学的酸素要求量)という数値が用いられます。
従前のトイレの汚水がBOD260ミリグラム(mg)/リットル(L)だったところ、『newto(システマグランデ)』に更新したことで、BODは5ミリグラム(mg)/リットル(L)まで減少。
水が汚濁しているほどBODの数値は高くなりますから、これだけ数値が減少したという点からも、汚水リサイクルの効果にご納得いただけたのではないかと思います。

地上の空きスペースに処理槽を設置

ちなみに、BOD5ミリグラム(mg)/リットル(L)の水というと、コイやフナが住み、漁獲できるほどの水質であるといわれています。
トイレの汚水が『newto(システマグランデ)』でリサイクルすることによって、洗浄水として十分に再利用できるほど浄化されているということを、この基準からもご理解いただけるのではないでしょうか。

限られた予算で臭いのないトイレを実現

古い建物ということもあり、改修前のトイレには「汚い」「臭いが強い」という不名誉な評判がついてまわりました。
この悪しきイメージを払拭し、観光に訪れる人々のためにも、年数が経っても清潔と無臭を維持できるトイレを設置したい。ただし、予算も限られているので、建物自体にはできるだけ手を加えずにリサイクルシステムを設置したいというのが、お施主様のご要望でした。

そのため、「どこに設置するのか」という点が慎重に検討されましたが、最終的に掲示スペースとして使用されていた、施設のもっとも目立つ場所に設置するという大胆な手法をとることができたのも、臭いが一切もれない『newto(システマグランデ)』ならでは。

設置した処理槽をいかにして目につかないようにするかというのも検討事項のひとつでしたが、こちらは自然の景観に合わせて板塀で目隠しすることに。この板塀が、建物の外観デザインに見事マッチ。飛鳥時代をしのぶ施設として、これまで以上に趣ある雰囲気を醸し出しています。

『NEWTO(システマグランデ)』設置後の建物正面


設置から15年、一度も汲み取りなし!

実は、この“高松塚壁画館”への『newto(システマグランデ)』設置事例は、平成20年頃のものになります。これまで15年間という長期にわたり、一度も汲み取りをすることなく汚水リサイクルを繰り返しているモデル的な事例ともいえるでしょう。

もちろん、施設の方々にも大変ご満足いただいています。

既存の汲み取りトイレの活用にも、ぜひ『newto(システマグランデ)』をご利用ください!

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